禁止です
- 放課後等デイサービスブルースター

- 12 分前
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あんなにも暑かった夏がまだ記憶の片隅にありますが、気づけば年末に近づき朝夕共に寒さを感じる季節となりました。
日々子どもたちと関わる中で時として、子どもたちは実に見事なタイミングで「えっ!?」という行動をしてくれます。水たまりにダイブしたり、玩具を芸術的に飛ばしたり…。
つい「ダメでしょ!」「やめなさい!」と口から禁止言葉が出てしまうのは、人として自然な反応です。けれども実は、この“ダメ!”という言葉、脳の仕組みから見ると少々逆効果になることがあるのです。
脳はまず、言葉を聞いた瞬間にイメージを作り出します。「走っちゃダメ!」と言われると、頭の中ではすでに“走っている自分”を想像しているのです。その後でようやく「ダメ」という否定の意味を処理します。けれどもこの否定を担当するのは前頭前野、人間の脳の中でも最も新しく、少しのんびり屋な部分。つまり、イメージの方が一足先に記憶に残ってしまう。結果、「走っちゃダメ」と言えば言うほど、脳は「走る」という映像を強く焼き付けてしまうというわけです。
だからこそ、子どもへの声かけは“禁止”よりも“目的”を伝える方が効果的。「走っちゃダメ!」ではなく「歩こうね」「静かに進もうね」。脳は“やめたいこと”ではなく“やりたいこと”に向かう時に報酬系、つまりやる気ホルモン・ドーパミンが活発になります。子どもの脳は「禁止」よりも「冒険の目的」に向かって動く仕組みなのです。(冒険してますか?)
声かけは、ただの注意ではなく“未来の種まき”のようなものです。言葉の向け方ひとつで、子どもの心に芽吹くのは「叱られた記憶」にも「挑戦してみよう」という意欲にもなります。どうせなら、「できた!」と笑う姿が見たいですよね。
「ダメ」より「こうしよう」「こうなりたいね」。そんな言葉が子どもの中に“前へ進む回路”をつくっていきます。今日の一言が、明日の小さな成長のきっかけになる、そう思えば、声かけの時間がちょっと楽しみになってきます。
(文責:放課後等デイサービス 熊谷)




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