クオリア
- 放課後等デイサービスブルースター

- 1 分前
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冬の気配が深まり、空気が澄み渡る季節となってまいりましたね。
何かの珍妙な生き物の名前かと思われた方、申し訳ありません。(画像のクリオネはただ言葉が似ていただけです…)
今回の主役は触角も尻尾もない、けれどなぜか私たちの世界の見え方を左右してしまう不思議な存在“クオリア”、つまり主観的な感覚です。感覚質とも呼ばれているようですね。
どうしてこの言葉に惹かれたのか。福祉の現場にいると、ときどき「え、同じもの見てるよね?」「あれ、まさか今言ったことが通じていない…」と確認したくなるほど、利用者様と自分の感じ方の違いに出会うことがあります。
そのたびに胸の内側で小さくひねくれた声がつぶやくのです。「なんでなんだろう?」と。そんな悶々とした日々のすき間にひょいと現れたのが、このクオリアという言葉でした。
名前を知っただけなのに、見えるものが一枚増えたような安心があったんですね。自分にとっての“赤”が、他者にとっては“夕暮れの朱”かもしれない。雑音が針の雨みたいに感じる人もいれば、逆にそれが落ち着く人だっている。
こうしてみると、人の世界ってひとつの見え方ではなく、無数のものが重なりあっているようですね。
さらに、五感だけでなく六感めいた共感覚の世界まで存在し、それぞれの世界はさらに多層的になります。「あなたはどう感じるの?」「なにが見えてるの?」と尋ね、説明してもらい、自分の感覚も差し出してみる。そのやり取り自体が、支援の技術をふわりと広げてくれる気がします。共感、共鳴することは大事なことですよね。
クオリアという小さな言葉は、結局のところ「違いは怖くないよ」と教えてくれる灯りみたいです。感じ方の違いを面白がって共有できたら、関わりはもっと柔らかく、支援はもっと自由に広がっていくよう思います。
人それぞれの小さな違いを知ることは、日々の支援や関わりを少しずつ温かくし、お互いの成長にもつながるはずです。
(文責:放課後等デイサービス 熊谷)




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