おはようございます。
今回から「ネガティブ・ケイパビリティ」についてお話したいと思います。
詩人ジョン・キーツはネガティブ・ケイパビリティを『事実や理由を
せっかちに求めず、不確実さや不識さ、懐疑のなかにいられる能力』
と話しています。(文献:「答えを急がない勇気」枝廣淳子氏より)
皆さんはポジティブとネガティブと聞くとどちらが良いと感じますか?
殆どの方が「ポジティブ」という言葉を選択されるのではないでしょうか。
「ポジティブ思考」
「ポジティブに捉えよう」
「積極的(ポジティブ)に取り組もう」・・・などなど。
日常生活において『ネガティブ』という言葉はあまり良い意味で捉えられては
いない気がします。しかし本当のところは「ポジティブ」も「ネガティブ」も
両方必要で、それらは自動車の両輪のような役目を果たしているそうです。
株式会社ブルースターの日々は「利用者さんの心身と向き合う」から始まり
「保護者や関係機関との意見交換」「スタッフ間での支援に関する意見のすり合わせ」など一問一答のように答えをすぐに出せるものは一つもありません。もう一度言いますが、
一つとして即答!即解決!!というものは一つもないのです。
特にグループホームでは、何年にも渡って同じ苦しみや悲しみの中にいる利用者さんと同じところに留まり考え続けるという作業が延々と続きます。でもそのこと(留まり考え続ける)自体が大事な支援であることを「ネガティブ・ケイパビリティ」を学ぶことで教えられました。これから不定期ではありますがブルースターの支援にとって大切になる「ネガティブ・ケイパビリティ」についてお伝えできればと考えております。
「人の病の最良の薬は人である。」
「患者が自分自身を発見するようなプロフェッショナルな場の提供。
そしてケアは、その個人的成長のための奉仕。その時治療者は患者が抱く苦悩を
抱え続ける必要がある。苦悩を抱えて患者の解決の時を待つ。」
(「ネガティブ・ケイパビリティ 答えのでない事態に耐える力」帚木蓬生氏より)
帚木先生の著書の中からの抜粋ですが、私たちブルースターの目指す支援はこれらの言葉に
集約されているように思えます。それぞれの事業所で実現できるように日々研鑽を積みたいと考えております。
【文責:花岡】
(参考文献) ・「ネガティブ・ケイパビリティ 答えのでない事態に耐える力」
帚木蓬生氏
・「答えを急がない勇気 ネガティブ・ケイパビリティのすすめ」
枝廣淳子氏
・「ネガティブ・ケイパビリティで生きる」
谷川嘉浩/朱喜哲/杉谷和哉氏
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