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書いて書いて見えてくる未来

12月も半ばに入り、利用者さんの年末年始の予定が少しずつ決まってきています。

スタッフも今年のクリスマス会・大晦日・お正月はどんな形で皆んなと過ごそうかと考え始めております。


今日はこの一年でとても飛躍的に成長した利用者さんについて。

18歳でホームに来たばかりの頃は、感情をうまく言葉に乗せることができない方でした。そのためイライラが募ると部屋の物を壊したり、怖い声をあげたり、時には大泣きしたりそんなことの繰り返しでした。


ただ彼の人生を変えた人がいました。それは現在も2週間に一度外来で会える主治医。

86歳の今尚、現役で外来に出続けてくださっています。

そのドクターとの出会いが少しずつ彼を変えていきました。

「〇〇君、君は立派になってるなぁ」

「〇〇君、今日はどんな話をしようか」

「今日は先生の昔の話を聞いてくれるか?」等など

いつも本人の方へ体ごと向きを変えて話をしてくれるのです。


彼が大きく成長できたことの一つが「ノートに書くこと」でした。

スタッフに言われことを書く。

ドクターに言われたことを書くからスタートしたのですが、

途中から「自分の気持ちを書く」「会社で起きた嫌なこと、嬉しかったことを書く」という

ことも加わりました。

それは嫌なことがあった時、興奮して帰宅しても言いたいことが言えない。

とても鋭い目つきで、負の感情だけが前面に出てしまい聴いているスタッフを怯えさせるだけでなく、何にも伝えられないことが多かったのです。


そんな時には「一度、何があったのか。その時どう感じたのか書いてみたら?」と伝えてみると、黙々と紙に向かうようになったのです。


今年に入ってからは受診の度に

「〇〇君は、大人の階段をのぼっているな。先生は嬉しいよ」から始まり

ここ数ヶ月は

「大人になっているいうのはもうやめよう。感じて、考えられるようになっていることを

 先生は本当に嬉しく思っているよ」に先生からの言葉が変わってきました。


2週間に一度、必ず彼に付き添うスタッフY。

彼女はどんな仕事が入っていても付き添い続け、外来の前後にしっかりと彼と向き合います。誕生日前後にはランチを一緒にしながらの一年の「頑張りを振り返る」。

その存在も間違いなくとても大きかったと思います。


書いて、書いて、書き続ける。

こちらは聴いて、聴いて、聴き続ける。


毎年年末になると「来年のノートはどうしようか」とスタッフに自ら声をかけて、翌年に向けての新しいノートを準備しています。

そろそろ来年に向けてのノート選びが始まりそうです。



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【文責:花岡】

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