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女子ふたり旅(日帰り)

昨年の夏から、ひとつの小さな計画が始まりました。

「一緒にSNOOPYミュージアムに行ってほしい!」そんなふうに利用者さんが声をかけてくれたのは、昨年の9月のことでした。

私がSNOOPY好きだということは、ホームの中でもよく知られています。だからこそ「二人で行きたい」と言ってくれた気持ちが、とても嬉しく感じられました。

しかし、日程や予算のことを考えると、簡単なことではありませんでした。ホームで暮らす方々の収入は決して多くありません。物価高の影響も受ける中、毎月のお小遣いや生活費をやりくりするのは本当に大変です。特に女性の場合、洋服やコスメ、友人やパートナーとの時間も大切にしながら、その中で3万円という目標を達成することは容易ではないだろうと感じていました。これは年単位の計画になるのではないか、途中で難しくなるのではないか――そんな心配もありました。

                        



けれど、その心配は良い意味で裏切られました。彼女は着実にお金を貯め続け、今年の3月には、目標を達成していたのです。「自分でもびっくりしている。本当に行きたい場所、やりたいことのためなら、貯められるんだって思った」

お昼を一緒に食べながら、そう話してくれた言葉が心に残りました。







振り返れば、出会って10年。

まだ10代だった彼女と、ここまでの道のりを歩んできました。時にどう支えていけばよいのか分からず、スタッフや外部の相談支援員さん、主治医、彼女の職場の上司とも何度も話し合いを重ねました。

「生きていてよかった」と思ってもらうために、真剣に向き合い、同じ方向を見ようと寄り添い続けてきました。

「自分自身を受け入れる」ということ――それは特性や生い立ちを含め、とても大きな挑戦です。私たち支援者が想像する以上に、本人にとって大きなエネルギーが必要なことだと思います。


当日は、一日中SNOOPYの世界を満喫しました。好きなだけ写真を撮り、大好きなことを語り合い、女子旅らしく自撮りも楽しみました(残念ながらここではお見せできませんが、とても素敵な笑顔でした)。貯めてきたお金の中からとっておきのSNOOPYも幾つか持ち帰ることができました。

往復の車内でも、夢やこれからの目標、いろいろな話をしました。

「生きててよかったよ」

帰り道、その言葉を聞けたことが、私たちにとって何よりの喜びでした。これからも私たちは、できることを一つひとつ重ねていきたいと思います。

そして本当に本当にあの日は楽しかった!!!


最後に、SNOOPYの大好きな言葉を紹介します。


  Never forget you’re someone special.

  あなたは誰かの大切な人であることを忘れないでね。




【文責:花岡】




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